自分自身が1990年代にメインPCとして愛用してきた NECのパソコン「PC-9800シリーズ」でお世話になったOS「MS-DOS」を、Windows上で動くエミュレータ上に復活させてみよう!という企画です。
同年代にMS-DOSを利用していた方や、PC-9801シリーズを愛用していた方にはかなり懐かしいと思える画面かもしれません。
それでは早速90年代にタイムスリップしてみましょうか☆
なお、この記事は TSAPPS開発室の息抜きゲーム部屋 で投稿した記事の加筆修正バージョンです。
インストール前の準備
エミュレータをインストールするために用意したものは下記の3点です。まずはこれらが無ければ始まりません。
PC-9800シリーズ用のMS-DOS Ver.5.00A-Hシステムディスク一式
MS-DOSの原本セットアップディスクは当然必要になります。DOS/V用のMS-DOSではダメですよ。PC-9801シリーズ用でなければ動きません。
PC-9821エミュレータ「T98-NEXT」
今回利用するエミュレータ「T98-NEXT」はこれから構築する仮想PC-9821環境を動かすためのソフト。こちらの準備方法はより詳しく書かれたサイトがたくさん存在するので、ググってみてくださいね。
実機PC-9821Ns本体で作成したフロッピーイメージファイル
MS-DOS原本から作成するフロッピーイメージファイルは、実機のPC-9801シリーズか3モード対応フロッピーディスクドライブを搭載したPCで作成します。
僕の場合はPC-98の実機があるので、そちらで動作するソフトを使って作りました。これが一番確実ですね。
手持ちの VAIO PCG-C1VRで利用していた 純正USBフロッピーディスクドライブも3モードだったので、こちらを使っても作ることができました。
これで必要なファイルなどの準備は完了です。あとはエミュレータ「T98-NEXT」をインストールし、プログラムを起動させてみましょう!
ハードディスクイメージの作成
まずは PC-98用の新規ハードディスクを作ります。といってもエミュレータなので、ハードディスクとして使われる1つのファイルを作るという意味です。
T98-NEXTを起動すると上のようなメインウィンドウが表示されます。ここでハードディスクのイメージやフロッピーディスクのイメージをセットして、実際に起動させたりするわけです。
今回は初めての起動なので、ハードディスクイメージがありません。ということでまずはブランクハードディスクのイメージファイルを作りましょう。
赤丸で囲った「HD DRIVE」枠内の「New」ボタンをクリックします。
デフォルトでは 80MB となっていますが、今回は 500MB に設定しました。MS-DOSそのものは数十MB程度なので、普通に試すだけなら 100MBくらいあれば十分ですが、後々ゲームなどをインストールするので大きめにしました。
今の時代ならたいしたサイズではありませんが、昔はかなり凄いサイズでした。20MBのハードディスクでも喜んでいたくらいですからね♪今なんてテラバイトが当たり前!凄い時代になったものです?
あとは出来上がったハードディスクイメージファイルを、ハードディスク1の所にセットしたら最初の準備は完了です。
MS-DOSをインストールしよう
さあ、いよいよハードディスクの中へ MS-DOS をインストールする作業を始めてみます。現在のOSと違ってあっという間に終わりますけどね。
フロッピーイメージでMS-DOS起動!
最初に作成した MS-DOSのフロッピーイメージファイル・ディスク1を、T98-NEXTのフロッピードライブ1にセットして「初めから」ボタンをクリック!
懐かしいピポッ!音の後、あっという間に起動して上のような画面になりますので、インストール先は「固定ディスク」を選択します。
昔はハードディスクのことを固定ディスクと呼んでいたんですよ♪
領域選択、ファイル転送
固定ディスクを選択すると、次はインストール先領域の選択になります。
上の写真では、以前インストールした MS-DOS 3.30 の領域なども表示されていますが、新規ディスクの場合は「未使用領域」のみの表示です。
ここではその「未使用領域」を選択し、確保するサイズを入力します。
僕の場合はMS-DOS 3.3でも使用する都合上、1つの領域を 128MB以下に設定しましたが、MS-DOS 5.0以上ならそれより大きいサイズでも領域確保できます。
領域を選択したらインストール先のパスを設定(デフォルトの ¥DOS のままでOK)すると、フロッピーからファイルの転送が始まります。
MS-DOS 5.00A-H のシステムディスクは 3枚組なので、画面の指示に従って1枚ずつ順番に入れ替えながら転送していきます。
インストール完了!
転送が終わると、上のような環境設定画面になります。懐かしい名前がたくさんありますねぇ。RS-232C、EMSメモリなどなど。
エミュレータ上なので、プリンタ・RS-232C・日本語(NECAI) は使用しないに設定するといいかもしれませんね。640KBしかないメモリはとことん節約!
これらは後からいつでも設定変更できるほか、直接 CONFIG.SYS というファイルを編集することでも変更できます。自分は手動修正がメインでした。
この写真では既にある領域にインストールしたので「既に存在しています」と出ていますが、新規の場合は関係ないので気にせず先へ進んで下さい。
この画面が出たらインストール完了です。
フロッピーのイメージファイルをイジェクトし、キーボードのリターンキー(現在のEnterキー)を押してください。
仮想PC-98環境が再起動して、インストールされた領域が起動します。
懐かしいDOSシェルが起動♪
PC-9801シリーズ用のMS-DOS 5.00A-Hが起動を始めます。先ほど設定した各種ドライバが次々と読み込まれていき、全て完了すると…
MS-DOSシェルというソフトが起動します。一応マウスも使えますよ。かなりWindowsっぽい画面構成ですね。
この時から既に、今でもおなじみのショートカットキーが採用されていました。
Windowsでアプリケーションを終わらせるショートカット「Alt+F4」、このDOSシェルでも同じで「GRPH+F4」です。
PC-9800シリーズでは、Altキーに当たる部分がGRPHキーなんです。
というわけで、無事にPC-98のMS-DOS環境が作成できました。土台だけですけどね。
このあと細かく環境設定をしていくのですが、今回はここでおしまい!
長々書いてきましたが、実際にエミュレータへのインストールにかかった時間はわずか数分です。フロッピー3枚=約3MBですからね?
昔を思い出させてくれる懐かしい画面、堪能していただけましたか?
今後、この環境を使って昔のアプリケーションなども紹介していければと思っています。どうぞお楽しみに~♪
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